PTCヒーターの活用と冬期間の燃費改善

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PTCヒーターが活躍できる場面はズバリ暖機運転しかありません。始動直後、冷却水温が低い時でもすぐに暖かい風を送り出すことができるので、フロントガラスの霜や氷を解氷する時間を短縮できます。これにより暖機運転の時間が短くなるので燃料の消費を抑えることができます。

暖機運転とは言っても車内を暖めるよりも、フロントウィンドウの解氷目的の人の方が多いのではないでしょうか。服装の違いもあるかもしれませんが北海道は視界が確保できれば車内が寒くても走り出す人がほとんどだと思います。

リモートスタートとPTCヒーター

最近の車はエンジンが動いている状態でキーを持ち出して外から施錠することができないので暖機運転が必要な方はほとんどがリモートスタート(社外品含む)を装備しています。(エンジンをかけた状態での施錠方法はありますがあまり一般的ではありませんし、C-HRで試したことはありません)

そこで純正リモートスタートで始動した場合のPTCヒーターの作動条件はどうなるのか質問してみました。

お客様相談センターの回答はすべての条件を満たさないとPTCヒーターは作動しません。ライトスイッチは「AUTO」ではなく「OFF」にしてくだいとのことです。(もっと丁寧に回答を頂いています)

同じ様な内容を何度も聞くのは恐縮してしまうので、”この件”に関しては引くことにしました。しかし本当はまったく納得していません。

私の考えでは純正のリモートスタートでエンジンを始動した場合、スイッチのポジションに関わらず外気温が5℃未満であればPTCヒーターは自動的に作動すると思っています。

なぜ私がリモートスタート使用時に作動条件(5項目あります)を満たしていると思うのか説明します。

  1. READY ONはエンジンがかかるのでクリアしています。
  2. ライトスイッチ:「AUTO」でもヘッドライトもデイライトも点灯しません。これはOFFの状態と同じだと予想しています。
  3. エアコンのECOモードはOFFになります。(乗車してエンジンをかけると降車時のモードに復帰します)
  4. ブロアスイッチ:ON エアコンが動くのでクリアしています。
  5. 問題なのが、設定温度:HI です。純正のリモートスタートは外気温が5℃未満であればフロントデフロスターとリヤデフィッガが自動的に作動します。その時に設定温度はHIになるはずです。
C-HR納車後、外気温が5℃未満になっていないので検証できていません。あくまでも予想です。うまく検証できないか考えてみます。

他にも最近のトヨタ車(ガソリン、HV問わず)は大部分の寒冷地仕様車にPTCヒーターが装備されています。ユーザーが普通に使えない装備を大々的に採用するとは思えません。PTCヒーター装着車は「リモートスタート」との組み合わせで燃料の消費を抑えるのに貢献していると思います。

暖機運転をしない

そうは言っても暖機運転をする必要がなければ(車内の温度は抜きにして)ハイブリッド車に限らずさらに燃料の消費を抑えることができます。そのためにはフロントガラスを凍結させないことが重要です。

解氷スプレーは外気温が-10℃以下の様な極寒ではデフロスターから温風が出ないうちに走り出すと溶けた水分が再度凍りついて視界を悪くすることもあります。非常用に用意するのは良いと思いますがランニングコストがかかるので常用するのはおすすめしません。

手間はかかりますが凍結防止カバーを使用すると効果があります。特に屋根の無い駐車場に夜間停める時には効果絶大です。フロントガラスが濡れていない状態で使用してください。

注意点

暖機運転をせずに走り出すと寒くて辛いと思いますが、寒冷地に住んでいる方は(私も含め)外出する時にはそれなりの服装なので体はあまり極端に寒さを感じないと思います。

しかしハンドルにはヒーターがないので素手で握ると指先が凍えてしまいますよね。そんな時はすべり止めが付いた手袋やスマホ対応の手袋が100円ショップなどで安く売っているのでおすすめです。

C-HRのG・G-Tにはシートヒーターが装備されているので車内の温度が多少低くても快適に運転できます。

明るい時にしか使えず少し面倒ですがPTCヒーターを作動させると暖房を補うことができるので早めに室温が上がります。冷却水温が50℃を超えればPTCヒーターは停止させても暖房に影響は無いと思います。

C-HRハイブリッド「寒冷地仕様」PTCヒーターの作動条件
C-HRハイブリッド(以下C-HR HVとします)「寒冷地仕様」のPTCヒーターの確実な作動条件を知りたかったのでトヨタ自動車に質問してみました。回答を頂いたので報告します。

エンジン冷却水温を確認するにはOBD2接続可能なレーダー探知を利用すると簡単です。

コムテックZERO802V
C-HRに「コムテックZERO802VR」を設置したので簡単なレビューを紹介します。

暖機運転をせずに走り出す時に注意する点は、エンジンが暖まる前のアクセル操作はできるだけ優しく踏むことが肝心です。エンジンが暖まる前は噴射される燃料が濃いので燃料の無駄が多くなります。

エンジンが暖まった後も降雪地域ではラフなアクセルワークはタイヤを空転させてしまうので燃費の悪化につながります。冬期間のドライブモードはECOがおすすめです。

寒くても暖房を使わない作戦

さて現実的ではありませんが、ハイブリッド車の冬の燃費悪化を最小限に抑える最強の省エネ法は「寒くても暖房を使わない作戦」だと思います。エアコンがOFFであれば冷却水温が40℃(C-HRでは未検証)まで上昇すればエンジンは自動停止します。※暖房時の自動停止する冷却水温は60℃です

エアコンがOFFの状態で走っていて冷却水温が60℃以上になった場合はエアコンをONにしても燃費にはほとんど影響が無いと思いますので暖房の使用をおすすめします。

ただしエアコンをOFFにするだけではいけません。ガラスが曇るのを防止するために、A/C:OFF、設定温度:LO、デフロスタ:ON、風量:弱~強、外気導入モード、リアデフォッガ:ON、に設定します。窓を少し開けると尚良いでしょう。

他にも外気温が-10℃など厳しい寒さの中では息をフロントガラスに吹きかけない様に注意してください。曇ったそばから凍っていきます。

車載機器は結露対策はしてあると思いますが、車内が氷点下のまま運転していると結露でナビやオーディオが正常に動かない可能性もあるので自己責任でお願いします。ここまでやると車じゃなくて馬車にでも乗ってる感じですね。

しかし車内が暖まる前に目的地に到着してしまうような短距離(約2km圏内)ではエンジンが一度も切れずに到着することも多いので「寒くても暖房を使わない作戦」はありかもしれません。短距離でもそれなりの服装をしていなければ車の中でサバイバルすることになるので注意してください。

あと乗車人数が多い、除雪など激しい運動の後、風呂上がり、同乗者が酔っ払い、興奮している人間が乗っている等々、車内が過湿になる原因がある場合その限りではありません。

C-HRに採用されているオートエアコンは暖気をできるだけ逃がさないようにヒーターユニットが2層化されていて足元には内気を循環させ暖房性能を向上させており低燃費にも貢献しています。

実際に暖房を入れない状況を想像してみたのですが燃費以外にもメリットがあるかもしれません。降雪時に室内を暖めなければ車を離れた後に雪が溶けてフロントガラスが凍りつくのを防ぐことができそうです。

しかしフロントガラスが曇ったまま車を離れてしまうと内側が凍ってしまい、次に走り出すときに暖機運転が必要になるので本末転倒な結果になる可能性もあります。暖房を入れないで走ったことはありませんが面白そうなので冬が来たら一度挑戦してみようと思います。

最後に

「寒冷地仕様」で純正の「リモートスタート」を装備していない方も後付けは可能ですので興味のある方はC-HRを買った販売店に問い合わせてみてください。

販売店装着オプションのリモートスタートには「スマートキー一体タイプ」と「ベーシックタイプ」の2種類があります。

どちらもリモコンで離れた場所からエンジンの始動や停止ができ、外気温が5℃未満でフロントデフロスターおよびリヤデフォッガが自動で作動します。エンジン作動時間はリモコンの操作で10分、20分、30分に切替可能です。

約16日間一度も車を使用しなかった場合、車両バッテリーの負担を減らすためにリモコンからの受信を停止します。※復帰方法はエンジンスイッチで2秒以上イグニッションをオンにします。

※詳しい操作方法は取扱書を見てください。

前回の記事ではあえて「多分ほとんどのユーザーがPTCヒーターの恩恵を受けていないと思われます。」と書きましたが、外気温5℃未満の時に「寒冷地仕様」で「純正リモートスタート」を使用しているユーザーはPTCヒーターの恩恵を知らぬ間に受けている可能性が高いです。きっと寒冷地仕様を買うユーザーは「リモートスタート」の装着率が高いのであえてPTCヒーターの作動条件を明記していないのかもしれません。PTCヒーターは暖機運転のための装備なんでしょうね。

PTCヒーターの利用ついて
気温が低くなったのでPTCヒーターを作動させる条件を簡単に検証してみました。

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