今回はコメントを頂いた「ブースターケーブル」の使い方を説明します。
私が所有している製品は北海道の会社で製造されたもので現在は販売されていません。
規格は80A(中型自動車まで対応)、ケーブルの長さは3.5mです。
ケーブルには接続方法を説明したタグが装着されていました。現在市販されているほとんど製品が何かしら接続方法がわかるタグや説明書が付属しています。
ハードケースのサイズが大きくラゲージアンダートレイに収まらないので「ラゲッジルームバッグ」に収納しています。
ブースターケーブルの選び方
C-HRの排気量はガソリンエンジンで1.2L、ハイブリッドで1.8Lです。「ブースターケーブル」の規格としては80Aのものを選べば問題はありません。
ただし容量が大きくて困ることはないので100Aの製品の方が融通が利くと思います。
必要なケーブルの長さは駐車する環境によります。大抵は5mの製品で対処できると思いますが、ガレージに頭から入れてバッテリーがあがってしまった場合、7mの製品でなければ救援車に届かない可能性があります。
自分がよく駐車する環境に合った製品を選びましょう。
ブースターケーブルの操作方法
補機バッテリーがあがったときの対処方法は取扱説明書に記載されているので、それを元に説明します。
ジャンプスタートを行う際の注意点
- ジャンプスタートを行う前に故障車も救援車もライトやオーディオ、ワイパーなどをオフにする。
- 電子キーは車内に置きっぱなしにせずに必ず携帯する。
- やけどや怪我を防ぐために軍手などを着用する。
大まかな操作方法
- 赤色のブースターケーブルで救援車と自車(故障車)のバッテリーのプラス端子同士をつなぐ。
- 黒色のブースターケーブルで救援車のバッテリーのマイナス端子と自車(故障車)のバッテリーから離れた金属部分をつなぐ。
- 救援車のエンジン回転数を高めにして、自車(故障車)のエンジンを始動する。
C-HR ハイブリッド
基本的にハイブリッド車は救援車として使用できません。
(1) ジャンプスタートの準備
救援車をブースターケーブルが届く位置に止め、どちらの車もボンネットを開けて補機バッテリープラス端子のカバーをはずします。
(2) ブースターケーブルをつなぐ
ブースターケーブルは以下の順でつなぎます。
「C-HR ハイブリッド 取扱説明書より」
①赤色のブースターケーブルの片方を自車(故障車)の補機バッテリーのプラス端子につなぎます。
「C-HR ハイブリッド 取扱説明書より」
実際にブースターケーブルを補機バッテリーにつなぎました。
ナットの頭とクリップの向きを合わせて挟むと安定します。
②赤色のブースターケーブルのもう片方を救援車のバッテリーのプラス端子につなぎます。
「C-HR ハイブリッド 取扱説明書より」
③黒色のブースターケーブルの片方を救援車のバッテリーのマイナス端子につなぎます。
「C-HR ハイブリッド 取扱説明書より」
④黒色のブースターケーブルのもう片方を自車(故障車)の補機バッテリーから離れた、未塗装の金属部分につなげます。
「C-HR ハイブリッド 取扱説明書より」
C-HRのハイブリッド車はエンジンブロックの丸で囲んだ部分に黒色のブースターケーブルを接続します。一瞬火花が散りますが、あまり慎重にならずに速やかに接続してください。
実際にブスターケーブルを指定の位置に接続しました。
丈夫で挟みやすい位置なので操作は難しくないと思います。
(3) 救援車のエンジンをかける
救援車のエンジン回転数を1,500~2,000回転程度に上げて約5分間自車(故障車)の補機バッテリーを充電します。
(4) ハイブリッドシステムを始動する
救援車のエンジン回転数を維持したまま、パワースイッチをいったん「ONモード」にしてからハイブリッドシステムを始動します。
(5) ブースターケーブルをはずす
「READY」インジケーターが点灯して、ハイブリッドシステムが始動したらブースターケーブルをつないだときと逆の順ではずします。
始動後、短時間でシステムを停止すると補機バッテリーが十分に充電されていない可能性があります。
C-HR ガソリンエンジン
ガソリンエンジン車は救援車として使用できます。
(1) ジャンプスタートの準備
救援車をブースターケーブルが届く位置に止め、どちらの車もボンネットを開けてバッテリーのプラス端子カバーをはずします。
(2) ブースターケーブルをつなぐ
ブースターケーブルは以下の順でつなぎます。
「C-HR ガソリンエンジン 取扱説明書より」
①赤色のブースターケーブルの片方を自車(故障車)のバッテリーのプラス端子につなぎます。
「C-HR ガソリンエンジン 取扱説明書より」
②赤色のブースターケーブルのもう片方を救援車のバッテリーのプラス端子につなぎます。
「C-HR ガソリンエンジン 取扱説明書より」
③黒色のブースターケーブルの片方を救援車のバッテリーのマイナス端子につなぎます。
「C-HR ガソリンエンジン 取扱説明書より」
④黒色のブースターケーブルのもう片方を自車(故障車)のバッテリーから離れた、未塗装の金属部分につなげます。
「C-HR ガソリンエンジン 取扱説明書より」
ガソリンエンジン車はインタークーラー奥のナットが指定されています。ハイブリッド車と比べると接続しにくい位置です。
写真はハイブリッド車の物ですが、指定されているナットの頭には(-)の刻印があります。ブラケットはメッシュアース線でボディと接続されています。
(3) 救援車のエンジンをかける
救援車のエンジン回転数を1,500~2,000回転程度に上げて約5分間自車(故障車)の補機バッテリーを充電します。
(4) ドアを開閉する
エンジンスイッチがオフの状態でいずれかのドアを開閉してください。
(5) エンジンをかける
救援車のエンジン回転数を維持したまま、パワースイッチをいったん「イグニッションONモード」にしてからエンジンを始動します。
(6) ブースターケーブルをはずす
エンジンが始動したらブースターケーブルをつないだときと逆の順ではずします。
始動後、短時間でエンジンを停止するとバッテリーが十分に充電されていない可能性があります。
初期設定が必要な機能
バッテリーが完全に上がるとT-Connectナビやパワーウインドウの初期設定が必要です。
T-Connectナビ
通常はCAN車両情報まで飛ぶことはありませんが、設定により起動時にパスワードを求められます。
「QUICK SETUP」画面が起動するので設定します。
「このナビを以前使用されていた車から新しい車にのせかえされましたか?」の質問は「いいえ」をタッチします。
携帯電話のパケット通信を利用している方は通信設定を確認してください。(Wi-Fi やハンズフリーのことではありません)
メモリー地点などは保存されていますが、オーディオ設定は消えてしまうので再度設定する必要があります。
バックガイドモニター
シフトをリバースにして「システム初期化中」の画面が出た場合、初期化作業が必要です。
- 車を止めた状態で、ハンドルを左いっぱいにまわしたあと、右いっぱいにまわします。(左右どちらが先でも可)
- できるだけ曲がり角・カーブなどがない渋滞していない道路を前進で5分間以上走行します。
- 通常の画面に戻れば設定終了です。
※上記操作を行っても画面が戻らない場合はトヨタ販売店で点検を受けてください。
パワーウインドウの初期設定
ドアガラスを正常に開閉できないときは初期設定が必要です。
- パワースイッチを「ONモード」にする。ガソリン車は「イグニッションONモード」にする。
- パワーウインドウスイッチを「自動全閉」の位置で引き続け、ドアガラスを全閉にする。
- いったんパワーウインドウスイッチから手を離して、再度パワーウインドウスイッチを「自動全閉」の位置で約6秒以上引き続ける。
- パワーウインドウスイッチを「自動全開」の位置で押し続け、ドアガラスを全開にしたあと、さらにスイッチを約1秒以上押し続ける。
- いったんパワーウインドウスイッチから手を離して、再度パワーウインドウスイッチを「自動全開」の位置で約4秒以上押し続ける。
- 再度、パワーウインドウスイッチを「自動全閉」の位置で引き続け、ドアガラスを閉めたあと、さらにスイッチを1秒以上引き続ける。
※ドアガラス作動途中でスイッチから手を離すと、最初からやり直しとなります。
バッテリーあがり後の充電について
ジャンプスタート後にどれくらいシステムを起動していれば(走れば)バッテリーが十分(次回システムが始動できる程度)に充電されるのか気になるところです。
最近の省燃費仕様車は一定量まで充電されると充電(発電)をやめ、足りなくなると充電(発電)を再開する「充電制御」を行っています。
私のC-HRもシステム始動後しばらくは14.2V(充電中)ですが、ある程度時間が経つと12.5V(充電停止)で安定して、その後は充電と充電停止を繰り返しています。
ですので目安としては電圧計が12.5Vで安定した段階で充電はそれなりに行われたと判断して良いのではないでしょうか。
ただし動かしている電装品が多いといつまで経っても十分に充電されないので電装品はできるだけオフにしてください。
電圧を見る手段がない場合、一概には言えませんが、できるだけ電装品を切った状態で昼間に30分程度走行すれば次の日の始動は(経験的に)問題ないと思います。
バッテリー充電器
バッテリーあがり後に一番安心できるのは「バッテリー充電器」を使って満充電にすることです。
私は使う機会がないのではないかと思い買えずにいますが「セルスター バッテリー充電器 DRC-600」はとても魅力的です。
8段階自動充電制御でバッテリーの状態を診断しながら最適な充電を行ないます。※車からバッテリーを降ろす必要はありません。
充電終了後もコンセントに差したままで「フロート充電」+「サイクル充電」で、いつでも最適なバッテリーコンディションを保ちます。さらにセルスタート機能付き(エンジン始動用補助電源)と至れり尽くせりです。
ポイントさえ間違わなければOK
ジャンプスタートの接続手順は取扱説明書などでしっかりと指定されています。これはバッテリーから発生する水素ガスに引火させないためです。
あくまでも個人的な意見なので軽く聞き流してもらいたいのですが、私は実際に引火するとは思っていません。それでも手順は守る必要があります。
ポイントは故障車につなげる黒色ケーブルの位置と取り付け・取り外しの順番です。
取り付ける位置はバッテリーから離れた金属部分。「取り付けるときは最後に」、「取り外すときは最初に」を守りさえすれば、他のケーブルの順番はショートさえしなければどうでも良いと思っています。※個人的意見です
ハイブリッド車同士の救援は可能なのでは?
これも個人的な意見になりますが、ハイブリッドシステムを始動させるのに大きな電流は必要なさそうなのでハイブリッド車同士は救援できるのではないかと考えています。
救援方法は救援車のシステムを停止した状態で救援車の補機バッテリーに直接ケーブルを接続して故障車を始動させれば電子機器への悪影響はないと思います。
ただし救援車のバッテリーが弱っていると救援もできず、自車もシステムを始動できずの泥沼の展開になる可能性も。2次遭難を避けるためにハイブリッド車は無理に救援しない方が良さそうですね。
もちろんジャンプスターターを貸してあげるのはありですよ。
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