以前の記事で、手が触れる部分の除菌を行いましたが、今回は「安定化二酸化塩素」を採用した「ドクターデオ プレミアム スチームタイプ 循環」を使用して車内全体を除菌しました。
二酸化塩素とは
二酸化塩素(ClO2)は強い酸化力を持ち、国内では紙パルプの漂白やプール水の殺菌などに使われています。
一般向けの「二酸化塩素」を使用した製品では、大幸薬品の「クレベリン」が有名です。車両用としてはデンソーと共同開発した「車両用クレベリン」があります。
二酸化塩素の効果
個人的な考えなのでご容赦願いたいのですが、
「クレベリン 置き型」など、人体に無害な濃度(低濃度)の「二酸化塩素」では殺菌効果は薄いと思っています。※消臭効果やコロナウイルスの残存期間を短くする効果はあるかもしれません。
特に首にかけるタイプの空間除菌用品は、空気の流れがある場所ではまったく効果が〇〇と感じざるを得ません。(あばれる君風)
ただし、毒性は塩素よりも強いので「車両用クレベリン」など、高濃度の「二酸化塩素」で車内をくん蒸するタイプの製品は、殺菌効果を期待できると思っています。
二酸化塩素の作業環境基準等
二酸化塩素 | 【参考】塩素 | 備考 | ||
作業環境基準 | TWA | 基準値なし | 0.5 ppm | 日本産業衛生学会 |
0.1 ppm | 0.5 ppm | ACGIH 2007 | ||
STEL | 0.3 ppm | 1.0 ppm | ||
急性毒性 吸入(ガス) ラットLC50(4 時間値) |
32 ppm | 146 ppm | 安全衛生情報センター 製品安全データシート |
参考:二酸化塩素による除菌をうたった商品 – 国民生活センター
消費者庁による行政処分
2020年5月15日、消費者庁は、首に下げるなどして使用する携帯型の空間除菌用品の表示に関し、景品表示法違反(優良誤認)の恐れがあることから、5事業者に対し行政指導を行っています。
過去にも消費者庁は、二酸化塩素を発生させるグッズに関して2014年3月27日、空間除菌剤を販売していた大幸薬品や大木製薬など17社に対し、自社ウェブサイト等において行った表示に、景品表示法違反(優良誤認)の恐れがあるとして、再発防止などを求める措置命令(行政処分)を行っています。
措置命令に対する大幸薬品のコメント抜粋
今回の指摘は、当該2商品の当社ウエブサイト等での広告表現に関するものであり、製品自体の性能については、何ら問題ございません。
また、弊社は、ウエブサイトで使用されている該当表現について「*ご利用環境により成分の広がりは異なります。」という注意文言を入れる等、速やかに修正を行ないました。
弊社では、二酸化塩素分子には、空間中のウイルスや菌を除去し、カビの生育を抑制し、消臭する働きがある事を確認しており、今後も、実製品による一般居住空間等での検証を繰り返し、その結果を元にしてわかりやすく誤解のない広告表記を行ってまいります。(2014年3月27日)
全文:クレベリン ゲル等についての本日の報道に関して – 大幸薬品
ドクターデオ プレミアム スチームタイプ
前置きはこの辺にして、「ドクターデオ プレミアム スチームタイプ」の種類について簡単に説明します。
「ドクターデオ プレミアム スチームタイプ」には「循環」と「浸透」の2種類があり、それぞれに大型車用もラインナップされていてるので、合わせて4種類の製品が発売されています。
「ドクターデオ プレミアム スチームタイプ 循環」の使い方は、エアコンを指定通りに設定してからスチームを発生させ、ドアを閉め10分間放置後に3分間換気するだけで車内の消臭・除菌が完了します。
エアコンダクトの中まで手早く消臭・除菌したいときにおすすめです。
「ドクターデオ プレミアム スチームタイプ 浸透」は、エンジンを切った状態でドアを閉め、約6時間以上放置すると消臭・除菌が完了します。
しみついた臭いなどをじっくりと消臭したいときにおすすめです。車を使用後に設置して、次の日に取り出せばOKなので、時間のないときでも使用可能です。
循環タイプを施工
今回、私が使用したのは普通車用の「ドクターデオ プレミアム スチームタイプ 循環」です。
スチームの発生中はエアコンを全開で稼働させるため、空気の循環の抵抗になるエアコンダクトに取り付けているアイテムを一時的に撤去します。
取り外した「サワデー クルマ専用 パルファムノアールの香り」と「AUKEY マグネット車載ホルダー」は助手席シートの上に避難。
「タブレット対応 車載ホルダー」は運転席シートの上に置きました。
それと指示されている工程ではありませんが、「クリーンエアフィルター」の活性炭の寿命を縮めそうな気がするので念のために取り外すことにしました。
取り外したグローブボックスやエアコンフィルターのフタは元に戻すか迷いましたが、グローブボックスはリヤシートの上に、エアコンフィルターのフタは助手席足元に置いて施工することに。
エアコンフィルターの取り外しについて詳しく知りたい方は過去の記事を参考にしてください。
「エアコンフィルター」をケースから取り出すと型くずれしそうだったので、ケースに収めたまま車外に取り出しました。
消毒するつもりはありませんが、フィルターケースの外側が少し煤けていたので「70%イソプロピルアルコール」で拭き上げています。
助手席シートを後ろまでスライドさせて、足元に十分なスペースを作り、エアコンをマニュアルで指示通りに設定します。※AUTOモードは使用しないでください。
- 吹き出し口:上半身に送風
- A/C:ON
- ECOスイッチ:OFF
- 内気循環:ON
- 温度設定:LO(最低)
- ファン:最大
エアコンを設定してから気が付いたのですが、準備が整っていませんでした。(未開封)
開封口は下にあります。私は上から開けそうになりました。
安定した場所に移し、[PUSHボタン] を強く押し込んで、助手席足元に設置します。
30秒ほどでスチームの発生が確認できました。
本来であればスチームが発生したらドアを閉めて10分間放置しなければなりませんが、今回は撮影のためにスチームが勢いよく噴出するまでドアを開けています。
1分もしないうちにみるみるスチームの量が多くなってきました。フィルターケースが収まる場所にスチームが勢いよく吸い込まれていきます。
スチームの噴出がさらに多くなり、凄まじい塩素臭が車外へも漏れ出してきました。ドアの近くから撮影していたのですが、喉への刺激で咳込むほどです。
さすがにこれ以上粘るのはまずいと思いドアを閉めました。
閉め遅れたぶん15分ほど放置しました。ドアを開けた瞬間は塩素臭がしますが、むせるほどではありません。
指定の10分でドアを開けるともう少し塩素臭がきついのかもしれません。
エアコンの設定はそのままに、ドアをすべて開けて換気します。すぐに塩素臭はなくなりましたが、5分ほど換気を行いました。
エアコンフィルターは、換気終了後に戻しています。
取り外していたエアコン吹き出し口用のアイテムを元に戻して、エアコンをいつも通りに設定し直します。
そうこうしているうちに、缶の温度も下がったので車外へ取り出してスチーム消臭完了です。
[PUSHボタン] 横のシールは、スチーム噴射後にしっかりと黒く変色していました。
スチーム後の効果
今回の目的である除菌効果ついては判断できません。ただ、あのむせるほどの二酸化塩素ガスの中ではウイルスや雑菌、虫なんかはただでは済まないと思います。
消臭効果については、エアコンや車内の臭いが気になっていたわけではないので違いはわかりません。
気が付いたことと言えば車内の空気が透き通った気はしましたが、次の日には普段の空気感に戻っていたのでエアコン風量最大でホコリが飛んでいただけなのでしょう。
と、効果は実感できないようなことを書いていますが、かなり気に入りました。これからは年に1回以上は使っていくつもりです。
取り扱いも簡単で、安価に高濃度の「二酸化塩素」を使った消臭・除菌ができる「ドクターデオ プレミアム スチームタイプ」は、車内をリセットする意味で効果絶大だと思います。
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