PTCヒーターの効果を調べられるかもしれないと思い、温度センサーをデフロスターの出口に取り付けて温度変化を計測しました。暖機運転を行う場合の参考になるかもしれません。
外気温は-9℃でした。
スタート前の車内の温度は-8.6℃です。計測中しやすいようにレーダー探知機の手前に本体を移動しました。
「ライト:OFF」でエンジン始動後、「エコ空調モード」をOFFにしてフロントデフロスターのスイッチを入れます。PTCヒーターを作動させるため設定温度を「HI」にします。
マニュアルで「風量:3」「A/C:OFF」に変更します。スタート時のエンジン水温は-9℃、外気温は-9℃、「外気導入」、アイドリングで計測しました。
計測結果は以下の表になります。スタート1分後はエアコンの設定を変更したりしていたので2分後からの計測になっています。
「水温」はエンジン水温、「温度」はデフロスター出口の温度、「(上昇℃)」は1分間での温度変化、「温度差」はエンジン水温とデフロスター出口の温度差になります。
経過時間 | 水温(上昇℃) | 温度(上昇℃) | 温度差 |
2分 | 15℃ | 10.0℃ | 5.0℃ |
3分 | 24℃(+9) | 17.3℃(+7.3) | 6.7℃ |
4分 | 31℃(+7) | 24.2℃(+6.9) | 6.8℃ |
5分 | 36℃(+5) | 29.7℃(+5.5) | 6.3℃ |
6分 | 39℃(+3) | 33.0℃(+3.3) | 6.0℃ |
7分 | 42℃(+3) | 35.8℃(+2.8) | 6.2℃ |
8分 | 44℃(+2) | 38.3℃(+2.5) | 5.7℃ |
9分 | 46℃(+2) | 40.6℃(+2.3) | 5.4℃ |
10分 | 48℃(+2) | 42.4℃(+1.8) | 5.6℃ |
11分 | 50℃(+2) | 44.2℃(+1.8) | 5.8℃ |
12分 | 52℃(+2) | 46.2℃(+2.0) | 5.8℃ |
13分 | 53℃(+1) | 48.1℃(+1.9) | 4.9℃ |
14分 | 55℃(+2) | 49.9℃(+1.8) | 5.1℃ |
水温の上昇は35℃付近までは早いですが、40℃を超えた辺りからは1分間で約2℃と急に減速しています。
経過時間 | 水温(上昇℃) | 温度(上昇℃) | 温度差 |
15分 | 57℃(+2) | 51.5℃(+1.6) | 5.5℃ |
16分 | 59℃(+2) | 53.8℃(+2.3) | 5.2℃ |
17分 | 61℃(+2) | 56.1℃(+2.3) | 4.9℃ |
18分 | 63℃(+2) | 58.2℃(+2.1) | 4.8℃ |
19分 | 65℃(+2) | 58.5℃(+0.3) | 6.5℃ |
20分 | 67℃(+2) | 59.1℃(+0.6) | 7.9℃ |
水温が65℃を超えると1分間に上昇する温度は約1℃になります。
経過時間 | 水温(上昇℃) | 温度(上昇℃) | 温度差 |
21分 | 68℃(+1) | 60.7℃(+1.6) | 7.3℃ |
22分 | 68℃(+0) | 60.8℃(+0.1) | 7.2℃ |
23分 | 69℃(+1) | 61.0℃(+0.2) | 8.0℃ |
24分 | 70℃(+1) | 62.0℃(+1.0) | 8.0℃ |
水温が65℃を超えてから急に温度差が広がりました。これは駆動しているPTCヒーターが2本に減ったためだと思われ、作動条件通りの動きと判断できます。
とりえずはPTCヒーターを作動させることで暖房の補助になっていると考えても良さそうな気がします。
デフロスター出口の温度が水温よりも高ければPTCヒーターが良い働きをしていると確実に言えたのですが今回の計測ではそこまで温度は上昇しませんでした。
以前の記事で外気温が-2℃の時にPTCヒーターを風量「AUTO」で作動させた際は水温64℃でアイドルアップが終了しましたが、今回のアイドルアップの終了は69℃(23分後)でした。アイドルアップが終了するとそれ以上はほぼ水温が上がらないので計測を終了しました。
その後、PTCヒーターを作動させたまま走行したところ、水温が74℃でエンジン自動停止、68℃でエンジン再始動を繰り返しました。風量は「3」のままで窓を少し開けていたので室温が高いと言うことはなく、設定温度との差や外気温との関りはわかりませんでした。もしかするとアイドリングでの上限温度(充電量が十分な場合)なのかもしれません。
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