エアコンをマニュアル操作した時のエンジンの自動始動・停止について簡単に検証してみました。寒冷地仕様に限らず、すべてのグレードのC-HR HVで同様な動きをすると思われます。
検証方法は単純で、エンジンをスタートしてすぐにエアコンをマニュアル操作に切り替えます。「設定温度」や「風量」を変えてエンジンの自動始動・停止するポイントを見つけました。比較するのに「AUTO」でも試しています。エアコンの設定は以下になります。※PTCヒーターは作動させていません。
「設定温度:HI」「風量:2」「A/C:OFF」「ECO:OFF」「外気導入」「ライト:AUTO」
水温が35℃になったところで「風量:5」に変更
水温が60℃を越えたところで検証開始
水温 | 設定温度 | 風量 | エンジン |
60℃ | HI | 5 | 作動中 |
62℃ | HI | 2 | 作動中 |
62℃ | 23.5℃ | 2 | 停止 |
61℃ | 23.5℃ | MAX | 停止 |
59℃ | 27.0℃ | MAX | 始動 |
59℃ | 23.5℃ | MAX | 停止 |
58℃ | 27.0℃ | 2 | 始動 |
58℃ | 23.5℃ | 2 | 停止 |
54℃ | 23.5℃ | 2 | 始動 |
比較するためにエアコンを「AUTO」に切り替えて検証
水温 | 設定温度 | 風量(AUTO) | エンジン |
62℃ | 23.5℃ | MAX | 停止中 |
62℃ | 27.0℃ | MAX | 始動 |
62℃ | 23.5℃ | MAX | 停止 |
55℃ | 23.5℃ | 4 | 始動 |
60℃ | 23.5℃ | 3 | 停止 |
エンジンの自動始動・停止に「風量」は関係していませんでした。エアコンの操作は「AUTO」でも「マニュアル」でも、「設定温度」でエンジンの自動始動・停止は同じ挙動です。
エンジンの自動始動・停止は「外気温」と「設定温度」に依存なのか疑問に思いながらも、帰宅した時にレーダー探知機のメーターを見て「!」暖房を入れた状態で水温が48℃なのにエンジンが自動停止していました。走行中は気にしていなかったので気が付きませんでした。
外気温は-1℃、エアコンの設定は「風量:AUTO」「設定温度:23.5℃」「A/C:ON」「ECO:OFF」「外気導入」でした。
こうなると「外気温」と「設定温度」の差は関係なさそうです。そこで「設定温度」を変更してみました。
水温 | 設定温度 | 風量 | エンジン |
43℃ | 23.5℃ | 2 | 停止中 |
43℃ | 25.0℃ | 4 | 始動 |
42℃ | 23.5℃ | 2 | 停止 |
最後の検証でようやく大まかに理解できました。
前回の記事で「暖房を「AUTO」で使用する場合、「設定温度」よりも「自動設定された風量」がエンジンの自動始動・停止に影響があるようです。」と書きましたが訂正します。
「設定温度」と「車内の温度」の差でエンジンの自動始動・停止をコントロールしているようです。
暖房中のエンジンの自動始動・停止は大まかに分けて三段階で制御していると考えています。
※自動始動・停止の温度は充電量や外気温でも変化しているようで、水温55℃でエンジン停止した場面もありました。(11月27日追記・修正)
第一段階 「車内の温度」が「設定温度」よりも大幅に低いため急速な暖房が必要
風量:5~MAX エンジンの自動停止:無
第二段階 「車内の温度」を「設定温度」に近づけるために暖房が必要
風量:2~4 エンジンの自動始動(水温55℃)・停止(水温60℃)
第三段階 「車内の温度」が「設定温度」、または近いために暖房を必要としない
風量:1~3 エンジンの自動始動(水温40℃)
※外気温で制御が変化するかもしれません
※エンジンスタート直後は水温に合わせて風量が変わります
※実際にプログラムを解析しているわけではありませんので参考程度にお願いします
本来であれば車内の温度を測りながら検証したかったのですが、11月7日に購入した温度計が台湾で止まっていて間に合いませんでした。海外通販は油断できませんね。検証が片手落ちなのはご容赦ください。「車室内の温度」と「設定温度」の差での「風量」の変化は温度計が無事届き、機会があれば検証してみたいと思います。
暖房を使用しても水温55℃以下でエンジンが始動しない状況(上記第三段階、内部的には暖房を使用していない?)を上手く利用できれば燃費改善に役立ちそうですがちょっと無理っぽいですね。
今のところ私が考え付くエアコンの使い方としては
- エンジンスタート直後は「マニュアル」でPTCヒーターを作動させる
- エンジンが掛かり蓄電されやすい状況なのでEV走行を積極的に利用する
くらいしか思い浮かびません。
他にも「水温が高い時は徐々に設定温度を上げて室温を高めにキープして水温低下に備える」や「水温が55℃でPTCヒーターON、60℃でPTCヒーターOFF」なんてことも考えられますがどちらも設定変更が面倒過ぎて現実的ではないですよね。
気温が下がってからチョイ乗りや市街地走行ばかりで燃費が悪化しています。そこで「エンジンスタートからどれだけ走れば暖機分の元をとるか?」や「外気温によるエンジン暖機のための自動始動・停止について」も機会があれば検証してみたいと思っています。
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